未来から価値観を引き出す味語り®式メソッド
- Yutaka Sato
- 5月10日
- 読了時間: 5分

1. 導入:味語り®メソッドが目指す未来志向
味語り®のヒアリングを通じて、私が気づいたことがあります。
それは、未来から価値観を引き出すという不思議な体験です。
これまで、価値観の抽出というと「過去の振り返り」が一般的な手法として認識されていました。
私もその一つとして取り組んでいた時期がありました。
でも、ある時から「これからどう生きたいか」「どんな未来を創り出したいか」という問いを
中心に据えるようになったんです。
不思議なことに、このアプローチを取ると、過去を無理に掘り返さなくても、
未来の在り方が自然と見えてくるようになったんです。
その後、調べていくうちに、これが「U理論」に近い考え方だと知りました。
U理論では「未来を先に感知する(プレゼンシング)」というプロセスがあります。
味語り®の対話で私が体験していたのは、まさにこの「未来からの引き出し」だったのです。
2. 未来から引き出す価値観:U理論のプレゼンシング
味語り®のヒアリングでは、過去にこだわるのではなく、
まず「未来の自分はどうありたいか」を問いかけます。
不思議なことに、対話の中で未来をイメージすることで、
価値観や目指す方向が明確になってくるのです。
私はこれを「未来からの引き出し」と呼んでいます。
過去を掘り下げなくても、未来を先に見ることで、
今、何が大切かが自然と浮かび上がってくる。
3. 無理に掘り返さない対話の力
これまで多くのメソッドは、過去のトラウマや傷に光を当てて、
そこから価値観を抽出することが多かった。
でも、私は次第に気づいていきました。
「過去に触れたくない人もいる」
そういう人に無理やり掘り返しても、かえって苦しくなるだけです。
味語り®では、その人が準備ができたときだけ、
そっと光を当てるというスタンスを大切にしています。
もし過去の痛みに触れたくなければ、未来を見据える対話に切り替える。
そうすることで、心の負担なく、未来のデザインが進んでいくのです。
4. 味語り®式メソッドの3ステップ
味語り®の未来志向は、次の3つのステップで進んでいきます。
①未来のビジョンを描く
- 過去ではなく、これからどう在りたいかをイメージする
- 抽象的な理想ではなく、具体的な未来の姿を言葉にする
②価値観を具体化する
- 未来の在り方を言語化し、どの価値観が軸になるかを特定する
- 例えば、「共創」「進化」「本質」など、未来を形作る要素を引き出す
③現実へと落とし込むプロトタイピング
- 言語化した未来のビジョンを実際の行動に移す
- 小さな実践を重ね、未来を現実化していく
認知の再解釈:自己防衛から創造性へ
味語り®メソッドを発見したきっかけは、認知の再解釈です。
認知とは、「自分がどのように事実を解釈しているか」ということです。
同じ出来事でも、捉え方によって全く異なる意味を持ちます。
父親との経験:事実と認知の違い
私自身、幼少期に父親から「高学歴でなければ豊かに生きられない」という言葉を繰り返し受け、
「傷つけられた」という認知を持っていました。
その言葉は厳しく、時には否定的な響きで、私はずっと「自分はダメだ」という感覚を抱いていたんです。
しかし、振り返る中で気づいたのは、パワハラと逆の優しい言葉もたくさんかけられていたことでした。
その瞬間、私は理解したんです。
「これは事実ではなく、自分が作り上げた認知だったのかもしれない」と。

認知の再解釈がもたらした価値観の転換
この気づきが生まれたとき、私の価値観の本質が変わりました。
それまでは「傷つけられた」という防衛的な認知が、
実は「守られ、愛されていた瞬間もあった」という新しい解釈にシフトしたのです。
それはまさに「自己防衛的な価値観」から「創造的な価値観」への転換でした。
具体的には:
• 「人に傷つけられたくない」→「人の個性を引き出し、共創する」
• 「批判されたくない」→「未来への挑戦を言葉にする」
未来からの創造的価値観の発見
そして私は気づきました。
「過去から出す価値観は自己防衛的だが、未来から出す価値観は創造性が宿る」
傷の元になっている認知を再解釈することで、
これまで「守る」ための価値観が、「創る」ための価値観へとシフトしたのです。
さらに考えたのは、
「最初から創造的価値観を出せるアプローチがあるのではないか?」ということです。
U理論的な未来志向の発見
その気づきが、味語り®のU理論的な未来志向のアプローチの誕生に繋がりました。
過去に囚われず、未来から価値観を引き出すことで、
自己防衛ではなく、創造的な価値観を最初から生み出せるのです。
5. 結論:未来から生まれるブランドの力
味語り®は、過去を振り返るだけではありません。
未来を先に感じ取り、そこから価値観を引き出し、具体化していく。
これは単なるブランディングではなく、未来創造型の対話なのです。
対話を通じて、「こうありたい」という未来の姿がクリアになり、
そのイメージに沿った行動が自然と取れるようになる。
過去に囚われず、未来に焦点を当てることで、
本当に生きたい人生をデザインする——それが味語り®の目指す未来志向です。