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強みは、価値を感じる人との接点で伝わり始める

執筆者の写真: Yutaka Sato
Yutaka Sato
5 日前
読了時間: 5分

強みが伝わる接点

「何が得意ですか」と聞かれたとき、自分ができることを挙げることはできても、「その力を誰が、どんな場面で喜ぶのか」まで言葉にするのは、少し別の作業です。


私は、無形商材ビジネスの中でも、ペルソナの課題やニーズ、理想の未来を言葉にするのが難しいビジネスのブランド設計をしています。


前回は、深層価値観を言葉にすると、自分では当たり前だと思っていたことが、強みとして見えてくることを書きました。


今回は、その強みが誰に、どんな場面で届くのかを考えてみます。




できることの一覧だけでは、価値が伝わりにくい


「話を聞くのが得意」

「情報を整理できる」

「デザインができる」

など、自分の力を言葉にすることは大切です。


ただ、その言葉だけでは、受け取る人にとってどんな意味があるのかまでは見えにくいことがあります。


たとえば「話を整理する力」は、いろいろな場面で役立ちます。考えがまとまらず次の一歩を決められない人にとっては、選択肢が見えてくることが価値かもしれません。


伝えたいことはあるのに発信の軸が定まらない人にとっては、自分の考えを言葉にできることが価値になるかもしれません。


同じ力でも、相手が置かれている状況によって、喜ばれる理由は変わります。


だから、自分の強みを伝えるときは、「何ができるか」とあわせて、「どんな人の、どんな状況で役立つのか」を考えてみると、相手に届く言葉が見つかりやすくなります。





同じ強みが、違う場面で必要とされる


「自分の強みを必要とする人は誰だろう」と考えるとき、職業や年齢などの属性だけで相手を決めようとすることがあります。


もちろん、属性も手がかりのひとつです。


ただ、同じ職業の人でも、困っていることや実現したいことはそれぞれ違います。


そこで、相手がどんな状況にいるのかにも目を向けます。


たとえば、デザインや印刷を依頼したい人がいるとします。


制作物のイメージが明確で、希望をデザイナーに伝えられる人もいれば、「何をどう伝えればよいのか」から整理したい人もいます。


どちらも制作物を必要としていますが、制作に入る前に求めている支援は異なります。


相手の考えを聞き、伝えたい内容や方向性を整理する力は、後者の人にとって特に役立つ可能性があります。


このように、強みと相手を結びつけるときは、相手の属性だけでなく、強みが活きる場面や、相手がそのときに望んでいる変化まで見ていくことができます。




お客様の反応に、価値の手がかりがある


自分の強みを考えるとき、過去の経験を振り返るのも役立ちます。


仕事を終えたあと、相手からどんな言葉をもらったでしょうか。


どんな相談を繰り返し受けてきたでしょうか。


自分が関わったことで、相手の何が整理され、どんなことが進めやすくなったでしょうか。


そこには、自分が提供したものだけでなく、相手が受け取った価値の手がかりがあります。


たとえば、Webサイトを制作した経験を振り返るとき、「サイトを作った」という成果物だけで考えることもできます。


一方で、依頼した人が何を伝えるかを整理できたことや、社内でサイトの方向性を共有しやすくなったことも、関わりの中で生まれた価値かもしれません。


こうした振り返りは、自分の仕事を大きく見せるためのものではありません。相手にとってどんな意味があったのかを確かめ、自分の役割をより正確に捉えるためのものです。


相手の反応を思い出すと、「自分が何をしたか」だけでは見えなかった強みが、少しずつ言葉になっていきます。




強みを、相手に伝わる価値へつなぐ


強みを伝わる言葉にするには、次のような視点をあわせてみます。


・自分が自然にできること、繰り返し発揮してきたこと

・その力が役立つ相手の状況

・関わったあとに相手に起きる変化


たとえば、「話を聞いて整理するのが得意です」という言葉は、相手によってさまざまな受け取り方ができます。


そこに相手の状況や変化を加えると、「伝えたいことがまとまらず発信に迷っている人と一緒に、考えや届けたい相手を整理し、発信の軸を見つける支援をしています」と表現できます。


この言葉がすべての人に響くとは限りません。


それでも、どんな状況にいる人に、何を提供できるのかが具体的になれば、必要としている人が自分との接点を見つけやすくなります。


短く印象に残る言葉をつくるときも、いきなりキャッチコピーを考えるより、まずはこの接点を丁寧に言葉にしてみることが助けになります。


誰に、どんな場面で、何を届けるのか。その解像度が上がるほど、短い言葉にも実感が宿ります。




強みの価値は、相手との接点で見えてくる


自分の強みが誰かの役に立つ場面を考えることは、自分の価値を誰かに判定してもらうことではありません。


ある人にとって必要な力が、別の人には今は必要でないこともあります。


その違いは、強みそのものの価値を決めるものではなく、相手の状況や求めている変化との接点を教えてくれます。


自分が自然に発揮してきた力。

相手が求めている変化。


その二つが重なる場面を見つけると、自分の強みを相手に届く言葉で伝えやすくなります。


強みを言葉にすることは、自分を飾ることではなく、すでにある力が誰のどんな場面で役立つのかを見つけることなのだと思います。

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